兄と弟と父は、兄が持って帰る予定だった
2階の家具を解体してまとめていて、
母はお客様用の食器を戸棚から取り出しに
台所から離れていたタイミングだった
どうしようか迷って台所に入ろうとしたけど、
兄嫁から
「私には台所さえ任せられないの!?」と
泣き顔になったので、驚きで後ずさって台所を出てしまった
困惑しながらもそのときトイレに
行きたかったので用を済ませて戻ってくると、
母が困った顔をして台所の入り口に立っていた
なんだろうと思って台所を覗いたら
兄嫁が涙をポロポロ流し、
嗚咽を交えながら私のサラダ巻きを立ったまま丸かじりしてた
意味がわからずに「それ私の…」と言ったのを母がとめた
母が声をかけても、兄嫁は
サラダ巻き一本完食し終わるまで無言で食べ続けた
私と母は無言でそれを見つめるしかなかった
食べ終えた兄嫁は涙を流したまま、
「お母さんの指示ですか?それとも妹ちゃん?
どうして意地悪するの?」と言われた
母も私も意味がわからずに
「よくわからないんだけど、サラダ巻きがどうかしたの?」と話すと
「私だけ安いサラダ巻きなんてあんまりです!」と叫んだ
お寿司は一人2000円のだけど、サラダ巻きは500円
兄嫁はなぜかそれを自分のお寿司だと思い込んだらしい
これまでも顔合わせや結婚式のとき、
私だけ食事が違ってたのも忘れてたのだろうか
母に言われて私は兄を呼んできて、母は3人で何かを話していた
15分ほど話したあと、なまものだから先に食べようと昼食になった