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正直、怖いと思った。
- 一応騒音とかには気を遣っていたし、
- 苦情を受けるようなことはしていないはずだけどと思いつつ
- チェーンをかけたままちょっとだけ開けて要件を聞いた。
- そしたら
- 「子供用の弁当の作り方を教えてほしい」だったんだ。
- どういうことか聞いたら、
- 明日弟が遠足で弁当がいるけど作り方を見ても
- わからないから教えて欲しいって感じのことを言われた。
- 恰好は金髪プリン(生え際黒)の耳に
- たくさんピアスのついたチャラい系だったけど、
- 手に何かテキストっぽいものを持ってて、
- 口調はちょっと擦れた感はあったけど
- 敬語だったことから玄関を開けた。
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今思うと怖い、関わらないようにしようって
- 思っていた相手が家に来てチェーンを外したことが
- 不思議なんだけど就職活動で行き詰っていたし、
- 気分転換に変わったことがしたかったのかもしれない。
- 就職するまで地元から出たことが
- なかったから友人も地元勢ばかりだったし、
社会人になってからできた会社の友人たちは - 私同様再就職口を探すのに必死で
- たまに電話して愚痴を言い合うくらいだったから。
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長男が持っていたテキストは園児くらいの子供がいる
- お母さんが読むようなレシピ本で、
- 買ってきたものの作り方を読んでも
- 用語が理解できないとのことだった。
- ○○切りとか、卵白を切るとか。
- 三男にオムライスをリクエストされたらしく、
- 作ったことないしぶっつづけ本番より
- 練習しようと思ってありあわせで作ったら失敗して、
- レシピ本を買ったら意味不明でお隣ピンポンの流れだったらしい。
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玄関先で一応自炊はしているけど
- 私もそれほど料理が得意なわけじゃないから
- わからないこともあると思うと最初に断って、
レシピ本に載っていた用語を解説していたんだけど
- その時に長男が
- 「タッパーじゃかわいそうッスかね?」って
- 聞いてきた流れで遠足グッズ一式が
- ないことが判明し急遽買い出しに行った。
- 最初は警戒しいしいだった私も話しているうちに
- 「見た目ほど悪い感じの子じゃないな」と
- 思ってつい親身になった。
- 近くのスーパーまで行って、
- あれこれ買い込んでいる時に
- 家庭の事情をぽつぽつ話してくれたんだけど、
- それが以下の通り。