縁側で一人でお弁当を広げていると、
トメが来て
「何してるの?」と聞かれた。
「先日、お義母さんが
「嫁は婚家で食事なんてするものではない」
とおっしゃったので。
お昼抜きにしようかと思うのですが、
さすがにこんなに働いた後では辛いんです。
なので持参いたしました」
と言った。
トメは物凄く嫌な顔をして
「昔は「食べている所!」を
婚家の方々にお見せする事がいけなかったの。
意地汚い嫁だと思われるからね。
私はどれほどお腹がすいても、
水一滴頂かなかったわ」
と言ってプイっと中に入って行った。
そして私は前もって調べていた
電話番号にかけまくり、まずはウト実家。
電話に出たウト兄嫁に
「皆さん酷いですー」とマヤり、
「そんな事した事ないわよ!
まーあの人そんな事言ってるの!」
とウト兄一家を怒らせる。
「お義母さんが嘘をついてるのでしょうか…
ウトさんに確認してみます…」と
力なく電話を切る。
ウト姉さんは電話に出なかったので、
次はウト携帯。
「先ほどお義母さんからこんな
事を聞きましたが、
妻がこんな目に会ってるのに、
どうして止めて食事をさせてあげなかったんですか!」
この辺りで家の電話が鳴るのが聞こえた。