- お母さんと次男は助かったけど、
- 次男が入院している時にお母さんは男と蒸発したそうだ。
- それから色々あったけど次男も結婚したって。
- 奥さんが先に下の子からもらってダウンしているから、
- 仕事を休んで病院に上の子を連れて来たそう。
- 私の近況も話したけど、二人して泣いた。
- いい年した大人が病気の子供を連れているのに
- 泣くなって自分に言い聞かせたけど止まらなかった。
- 震災当時のこととか、彼女と結婚するって言っていた時の
- 長男のはにかんだ顔とか、嫌いなピーマンを
- 三男が食べられるようになったって
- 聞いたから褒めたら自慢気にドヤ顔したところとか色々思い出した。
- 診察が終わってから、線香だけでもあげさせてほしいと
- お願いして連絡先だけ交換して戻った。
- 家に戻ってインフルだった下の子の看病もあって
- 落ち着いていたけど、夜帰宅した主人の顔を見たらまた泣けた。
- 子供が寝ていたから起こさないように気をつけたけど、
- 主人は私が落ち着くまで根気よく話を聞いてくれた。
- 子供のインフルが落ち着いて、
- 私自身の気持ちの切り替えができたころに
- 次男に電話した。
- その時に写真を持っているか聞いたら、
- 全部震災でなくしたって。
- あの一帯が全部燃えたからそうだろうと思っていたので、
- 実家に残っていた写真を譲ろうと思って相談してみた。
- 実家に置きっぱなしや、私が持っているよりは
- 長男と三男の供養になると思って
- 電話する前に実家に住む母と姉に頼んで送ってもらった。
- でも遺族が亡くした家族の写真を見るのは辛いって
- 気持ちもわかって、もしよかったらって申し出た。
- その時の電話では見るのが辛いって辞退されたけど、
- 数日経って折り返しかかってきて譲ってほしいと頼まれた。
- 奥さんも被災した人だったそうで、
- 家族の写真は残っていないそう。
- その奥さんが、見るのが辛いのなら
- 自分が大事に保管しておくからって言ってくれたからって。
- それで先日お線香をあげさせてもらった時に、
- 一緒に写真を持って行って渡した。
- 奥さんが
- 「大事にしまっておきます。
- 主人に家族を返してくださってありがとうございます」って
- 言ってくれて、持ち掛けたものの写真のことは
- 余計なお節介じゃないか、持っていたら
- 辛くなるだけじゃないかって悩んでいた自分が少し楽になった。
- 長々と語ってごめんなさい。
- 実家の家族や主人以外の人の前で
- 話せるほど消化できていないし、
- 口にできる話題でもないから吐き出したかった。